給料が上がらなくても、辞めなかった会社がある。私が見ていたのは「時間あたり」だった
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今月から、最低賃金が上がっています。
全国平均で1,177円。前の年より56円の引き上げで、今の決め方になってから2番目に大きい上げ幅だそうです。東京都は1,280円。10月1日から12月2日にかけて、都道府県ごとに順次切り替わります。
アルバイトの話でしょう、と思ったかもしれません。でも今日は、正社員の人にこそ読んでほしい話です。
私の時代、給料は上がらないのが当たり前でした
先に、私の話をします。
私が20代で働いていた頃、給料は上がらないのが普通でした。 毎年少しずつ上がっていく、という感覚はほとんどありません。
不満だったかというと、正直そうでもありません。そういうものだと思っていました。 周りもみんな同じでしたから。
ただ、ここからが今日の本題です。
給料が上がらなくても、納得して働けた会社がありました。 そして、辞めることばかり考えていた会社もありました。
給料はどちらも上がらない。では、何が違ったのか。
違いは、拘束時間でした
振り返ると、答えははっきりしています。
- 拘束時間が短い会社 → 給料が上がらなくても、納得していた
- 拘束時間が長い会社 → 辞めることを考えていた
給料の額だけを見ていたら、この違いは説明できません。上がらないのは同じなんですから。
つまり私は、意識していなかったけれど、「給料」ではなく「その給料で、どれだけ時間を取られるか」を見ていたんだと思います。
同じ月給でも、夕方に帰れる会社と、夜まで帰れない会社では、時間あたりの価値がまるで違う。 体はそれを分かっていたから、片方では納得できて、片方では辞めたくなった。そういうことだったのでしょう。
給料と時間を、別々に見ないでください
ここで伝えたいのは、これです。
給料と拘束時間は、別々に見ると判断を間違えます。割り算して見てください。
「給料は悪くないから我慢しよう」 「時間は長いけど、給料はそこそこだし」
こういう考え方をしているとき、実は時間あたりで見ると安い、ということがよくあります。逆に、「給料は上がらないけど、なんとなく辞める気にならない」という会社は、時間あたりで見ると悪くないのかもしれません。
私の場合、その割り算を体が勝手にやっていました。でも、数字にしてしまえば、迷う必要はありません。

自分の「時間あたり」を出してみる
やり方は簡単です。
① 1ヶ月の給料(手当込み・残業代は除く)を書き出す
② 1ヶ月の「会社に取られている時間」を出す
ここがポイントです。契約上の勤務時間ではなく、実際に家を出てから帰るまでのうち、会社のために使っている時間で考えてください。早く来るのが当たり前の朝、帰りにくい空気で残っている時間も入れます。
③ ①を②で割る
たとえば、こんな人がいたとします。
月給22万円。朝8時に着いて、帰るのは20時。休憩1時間を引いて1日11時間、それが月22日。
22万円 ÷ 242時間 = 約909円
今年の最低賃金は、全国平均で1,177円です。 正社員として毎日働いて、時間あたりに直すと、アルバイトの最低ラインを下回ってしまう。こういう計算になることは、決して珍しくありません。
ただし、「違法だ」という話ではありません
誤解がないように書いておきます。
いま出した「時間あたり」は、あなたが自分の会社を判断するための物差しです。法律上の最低賃金を守っているかどうかは、決められた勤務時間や残業代の扱いなどで判断されるので、この計算で下回ったからといって、すぐに会社が違法ということにはなりません。
でも、違法かどうかと、あなたが納得できるかどうかは、別の話です。
法律を守っていても、あなたの時間が安く使われていることはあります。私が辞めることを考えていた会社も、たぶん法律は守っていたと思います。それでも辞めたいと思った。その感覚のほうが正しかったと、今でも思っています。
世の中の時給は、上がり続けています
最後に、私の時代と今で、決定的に違うことをひとつ。
私の頃は、給料が上がらないのが当たり前でした。だから、上がらない会社にいても、それが普通だと思えた。
今は違います。最低賃金は、毎年上がっています。 今年は56円。世の中の「時間あたりの値段」は、確実に上がり続けている。
その中で、自分の時間あたりの給料が何年も変わっていないなら、それは「当たり前」ではありません。 世の中が上がっている分だけ、あなたの時間は相対的に安くなっている、ということです。
私は「そういうものだ」と思って働けました。それが許された時代だったからです。今の20代は、その「そういうもの」を疑える立場にいます。 これは、私の時代にはなかった強みです。
まとめ:給料ではなく、時間あたりで見る
- 今月から最低賃金は全国平均1,177円(前年より56円増、今の決め方になってから2番目の上げ幅)
- 私の時代、給料は上がらないのが当たり前。それでも納得できた会社と、辞めたかった会社があった
- 違いは拘束時間。見ていたのは給料ではなく**「時間あたり」**だった
- 給料と時間は別々に見ず、割り算して見る
- 計算は「月給 ÷ 会社に取られている時間」。違法かどうかではなく、納得できるかどうかの物差し
- 世の中の時給は毎年上がっている。自分だけ止まっているなら、それは当たり前ではない
一度、紙に書いて割り算してみてください。数字にすると、「なんとなくしんどい」の正体が見えることがあります。
出した数字が低かったら、外の条件と比べてみる
計算してみて「思ったより安いな」と感じたなら、次にやることは簡単です。同じような仕事が、よそではいくらで募集されているかを見る。 それだけで、自分の時間の値段が世の中とどれくらい違うかが分かります。
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※最低賃金の出典: マイナビバイト ナレビ「2026年全国最低賃金目安」 / HRマネジメント「全国最低賃金の一覧表」